いきなりですが、2つの日本語の文を見てください。
- 彼はペンを持っている
- 彼は有名な占い師の評判もよいという、先月駅前の文房具店で買ったペンを、山登りにきた今日も持っている
あなたは、これら2つの文章をみて、意味を難なくくみ取れたのではないでしょうか。

実はそれには、理由があります。
いきなり何かと思うかもしれませんが、この「難なく意味が入ってきた」ということは、言語習得のうえで大事なヒントが隠されています。
これはリスニングのところでの内容とも通じるところですが、わたしたち日本人は、実は先の流れを瞬時に予測しながら、文章を読んでいます。
例えば「彼はペンを持っている」という文章を読むとき、脳内では、次のような働きがコンマ数秒で行われています。
「彼は…(どうなのかな)(なんかしたのかな)ペンを…(どうしたのかな)持っている」
これは、私たち日本人が日本語の「当たり前の絶対の流れ」に慣れているからです。(この流れは以下で説明している非常に大事な知識なので、まだの方はぜひ確認してみてください!)
そう、こうした流れが、あなたの頭にも既にインストールされているのです。
では改めて、もう一度2つ目の文章を読んでみてください。
・彼は、有名な占い師の評判もよいという、先月駅前の文房具店で買ったペンを、山登りにきた今日も持っている。
これは、つまるところ「彼は(○○な)ペンを(○○な日も)持っている」ということです。
構造でいえば、「彼は(有名な占い師の評判もよいという、先月駅前の文房具店で買った)ペンを、(山登りにきた今日も)持っている」となります。
そしてあなたは、このような構造として捉えなくても日本語として理解ができるはずです。
なぜでしょうか。
それは、あなたが「彼は…○○を…~する」という予測のもとに読めているからです。

このような日本語の「当たり前の絶対の流れ」が頭に入っているから、このように推測も立てながら読めているのです。
反対に、もしもこうした流れがセットされていなければ、読み取ることはできません。
では、英語ではどうでしょう。
英語でも、長短に関わらずにこのような形で読めるようになることがゴールです。
まず、He has a pen.はいかがでしょうか。
この文章ならきっと大丈夫ですよね。

ところがこれが、上の日本語のように長く複雑な文章になると、とたんに難しく感じるのではないでしょうか。
関係代名詞、接続詞、譲歩構文、形容詞節…。
色々な細かな文法が出てきて、どこがどこに、どうして「かかる」のか、苦労することもあるでしょう。
たしかに先生も「○○はここにかかって…」と説明はしてくれるでしょう。
しかし、あなた自身が次には自力でできるようにならなければいけません。
とはいえ…です。
どれほど複雑で長くて難しい英文でも、結局のところの流れは5パターンしかないのです。
どれだけ長くて複雑な文章でも、先ほどの「長い日本語→短い日本語」のように英語も必ず収束します。
5文型にはじまり、5文型に終わるとはそういうことです。

さて、日本語の流れがセットされているから長い日本語も読める一方、セットされていなければ予測は立たないというお話でした。
英語で言いかえると、SVOなどの文型がセットされていれば長い文章でも読めるようになりますが、セットされていなければ長い文章は読めないということです。
色々とヤヤコシイ文法用語がでてきましたね。
なんちゃら関係詞のなんちゃら用法など、あなたも何が何だかワケが分からないこともあるかもしれません。
しかし、関係詞も接続詞も、形容詞も何もかも、実のところは上の長い日本語の例での()の部分に過ぎません。
それだけのことなのです。
これらをあなたが学校で学んでいるのは、本当は長い文章の5文型を5文型として、スッキリと理解するための補助材料としてです。
例えば、日本語では<長い>小説、<昨日買った>小説…、などというのは当たり前に感覚として入ってきますが、英語ではそうはいきません。
だから「長い<>の部分は英語だと○○詞といいますよ、それはこのように使いますよ」とあなたは習っているのです。
下の例をみてください。
- <Her favorite> flower is…
- a flower <which my grandmother likes> is…
実は、この<>内の部分はほとんど同じようなものです。
日本語の例でもそうだったように、長いか短いかの違いでしかありません。
しかし日本語とは違い、英語では長いと後ろに説明を加えるため、このような見かけ上の違いが出てくるのです。
関係詞とは、○○のような用法がある…ということよりも、実は「この< >部分が日本語とは違ってうしろにもwhichと一緒に来ますよ!」と知ることが何より大切です。
とはいえ、こうした違いを知っていくのはもちろん、前提となるSVOなどの5文型を理解していてこそです。
こうした「流れ」の理解がないところに、いくら付属品のような<which…>などを理解しようとしても、正直なところややこしくなる一方になってしまいます。
跳び箱の3段の練習がまだなのに、10段をいきなり跳ぼうとして嫌になってしまうようなものかもしれません。
どうでしょう。
5文型がいかに大事か感じられたのではないでしょうか。
しかし、5文型との関わりとして関係する文法事項のすべてをみると、今度はあなたの英文解釈は豹変します。
複雑にみえていた文法のアレコレが、驚くほどに単純に見えてきて、こんな簡単なことだったのかときっと思うはずです。
なので、もしもあなたが5文型の本質を理解できていなければ、まずはこちらを参照してみてください。
一撃で色々な文法事項が氷解するはずです。
大丈夫であれば、続いて長文読解と語法の具体的な勉強法を見ていきましょう。
